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プラクシテレス展inルーブル
2007-05-22
午後3時過ぎにホテルを出発しド・ゴール空港⇒帰国の途へ。
**
現存するオリジナルがただ一点(オリンピアにあるヘルメス像、しかしこれもローマ時代のコピーという説があり、現存作品は皆無なのかもしれない)とされるこの彫刻家の展覧会を開催できるなどという事があるのだろうか。

実際この看板に使われているヴィーナスもホンモノは胴体だけ顔や手は全てルイ14世時代の彫刻家が「こうだったかなぁ」と想像してくっつけたものなのである。(これはこれで作品として成立していると思いますが)こんなにも作品が「ない」作家の展覧会が開催されているなんてびっくり。

昨日半日観光でルーブルを訪れた時、メインルート訪問の途上ちらっと目に入ったこの案内看板と、階下に見えたブロンズ作に惹かれて見に行った。通常展示へとは別の入口から入る企画展専用室。昨年3月にアングルの展覧会が行われていた場所である。
※アングル展については下記に少し。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20060306

今まで名前ぐらいしか知らなかったプラクシテレスについてもう少し詳しくデータを知る事ができた。プラクシテレスは紀元前390年頃の生まれといわれ、初めて女性の裸体を直視した形で彫刻表現したとされる。クドニスの町がオーダーしたヴィーナスに対し、プラクシテレスは最初裸体版と着衣版と二つを用意した。はじめクニドスの町は無難な着衣版を選んでいたのだそうだが、後に裸体版の方が評判になった。

その生前も死後もたくさんのコピーや模倣作品が作られ、今回の展覧会もその作品群のいろいろなバージョンを比べる事が主なテーマとなっていた。今まで各地の美術館で見ていた有名作品を借り出して来て並べて比較する事が可能なのは、さすがルーブルの企画である。

南仏でみつかった「アルルのヴィーナス」もプラクシテレスの流れの中で説明されていて、やっとその位置づけが理解できた。

イントロで「プラクシテレスはブロンズと大理石の両方を製作材料に選んでいた」とあったので、いつブロンズ作品が登場するのか楽しみに歩いていた。そう、ギリシャのオリジナルブロンズ作品、大好きなのです。

が、結果的に古代のオリジナルブロンズは最後に一点だけ登場したのみ・・・、でもがっかりではなかった。その一点というのは、あの「踊るサテュロス」で、もう会えないと思っていた人に再会出来た気持ちにさせてくれたから。

※一昨年、上野に来たときの事は下記に
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20050225
このサティユロス、今回は上野のときよりもはるかに間近に展示されていて、細部もよく見えた。また、展示位置も上野の時は目の位置に像の足が来るぐらいだったが、今回はより低く展示位置が設定され、顔もよく覗き込む事ができた。見れば見るほど迫力がある。

プラクシテレス展本展示よりもこちらの方に印象強かったのは皮肉な話ではある。



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