平成のフレンチ料理人が戦国時代へタイムスリップして、あろうことか織田信長のシェフになるという設定のドラマをやっている。
奇想天外なのだが、これがとても面白い。
平成の料理人の影響を、歴史を壊すことなく組み込んでいくストーリー作りは秀逸である。原作は漫画なのだそうだが、読んでみたいと思わせる。
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ヨーロッパの歴史物語を書く塩野七生さんの随想集を読んでいたら、1993年の防衛大学卒業式での祝辞が載せられていた。
彼女はここで言っている。
「優秀な武将ほど部下の腹具合に、しかも戦闘に出かける前の腹具合に注意をを払っていたようです」。
戦術をどのように立てるかは重要だが、最後は現場で命をかける兵士の力が成否を決める。その場面で「やる気」を引き出させる食べ物は、実はとても大切なのだ。
テレビドラマ「信長のシェフ」でも、そういった場面が何度も出てきた。
精神論だけで人のやる気は養えない。
物理的に旨い料理を口にすることで、人の気持ちというのは大きく変化する。旅の場面を見ていてもそうだ。
前出の「信長のシェフ」は、この真実を上手くつかったストーリーになっている。
下記に番組HPがあります。お勧めします。
http://www.tv-asahi.co.jp/nobunaga/story/0007/