シルバースピリット号を08:30に離れ、ローマからミュンヘン経由帰国の途へ。
＊＊
バスに乗ると「忘れ物のないようにぃ〜」といつも言っている。
「洗面所、クローゼット、ベッドの横のテーブルに目覚まし時計、携帯電話･･･」こう言いながら、なんだか変な気がしてはいた。

それが何かに気付いたのは、ミュンヘンの空港へついてゲート移動して、日本へ行く飛行機に乗り込もうとするほんの三十分前だった。

日本へ着いて必要になるもの、日本円の財布･･･あ！船のセーフティー･ボックスに入れっぱなしだったぁ〜！

船にチェックインした7月9日夜、今回はまったく移動がないのでスーツケースからすべて取り出して収納場所を決めていた。その時、貴重品である日本円の財布をどこか安全なところへ入れておこうと考えた。

セーフティ･ボックスはいつもあまり使わないのだが、今回はずっと移動がないし、ウォークイン・クローゼットの中の目立つところにあったので、暗証番号を設定して入れておいたのだ。

そのまま、一週間。昨夜パッキングをしている時には、コルシカ島で買ったたくさんの蜂蜜瓶やワインの詰め込みに気がいっていて、日本円の財布の存在など、もう、ほんとに、完全に、頭の中から消えてしまっていたのである。

すぐに船に衛星電話をかけたが、通じない。名刺をもらっていた船のセールススタッフに電話をしようとおもったが、そういえばもう船を出ていたようだ、どうする？

今回、大人数のお世話の為に、グループとは別に船に乗り込んでいた日本旅行のスタッフ仲間が居た。夜のフライトに乗る予定と言っていたっけ。携帯に電話をすると「まだシルバー・スピリットに居まぁす」と、神様の様な声がきこえてきた。彼女も日本には小松と同じ明日7月16日に着くフライトだそうな。幸運でした。
皆さん、くれぐれも忘れ物されませんように、いつもこういう風いくとはかぎりません。