個人的な寄付で世の中を根本から変える事はできない。

どんな社会であっても弱者は存在する。
今、健康でなにも心配なく動けている自分だって、いつ社会的弱者の立場におかれるかもしれない。

そういった弱者であっても、強者の論理に踏み潰されないで生きていけるようにする為に国家という秩序がある。現代国家の第一義はこれだと思う。

歴史をみれば、権力者が強権をもって人々を搾取していたた時代には、宗教が弱者を助ける役割を担っていた。
または「お慈悲」をもたらす私的な組織が弱者を助けるしかなかった。　今でもそういう国は少なくはない。

フランス革命以来の幾多の試行錯誤を経て、完全ではないにせよ弱者になっても、「お慈悲」ではなく、社会システムによって安心して生きていける国がいくつかあるように思う。
フィンランドなどはそのひとつに数えてよいのではないか。

こういう国では児童福祉施設にいる子供達であっても、タイガーマスクの「お慈悲」にすがることなく、尊厳を持って学校へ通えるシステムが用意されている。

そんな国にはタイガーマスクは現れない。

日本は果たしてどちら側にある国なのだろうか？