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「ローマ人の物語」15巻の人物評
2007-01-05
「ローマ人の物語」全15巻が完結。
おもえば、15年前の第一巻のスタートから刊行されるとすぐに読んできた。一年に一冊の刊行。自分にとっては30歳から45歳の15年間。この15年は個人的にも大きな変化の年代であった。読みながら私自身が成長させてもらっていた。ハンニバル、カエサル、アウグストス、トライアヌス、マルクス・アウレリウス、登場人物の生き様が伝わってきて、背筋をのばして生きる気持ちになった。自分が下してきた様々な決心に彼らの生き方が影響を与えてくれたこともあった。与えてくれた人との出会いもあった。生涯で出会う多くの本のなかでも、こういう存在はなかなかあるものではない。

読みすすんでいくにしたがって、この本は日本人の書いたローマ史の本として今までなかったレベルにあると思うようにもなった。今まで日本語で読めるローマ史の本というのは、ほとんどが欧米人のフィルターを通して描かれてきたものの焼き直しであった。「ローマ人の物語」は順次各国語に翻訳されているらしいが、その価値が充分にあるだろう。日本人の、女性の、描き出すローマ人像への、ヨーロッパ人の評価が聞いてみたいものだ。

一方で、塩野七生というひとの個性が強くあらわれていて、その人物感に引きづられてしまう危機感も強く持った。たとえば、カエサルと同時代人の弁論・文筆家であるキケロについて。塩野さんの彼に対する評価は、「けちょんけちょん」である。他のいろいろな歴史研究の本では決してそんな扱いを受けていないし、間違いなくすばらしい文章家だった人だ。それでも、塩野さんへのウケはすこぶる悪かったらしく、それが読んでいるこちらのキケロのイメージになってしまう危険を感じる。

つまり、人物評については、著者の個人的な好みが大きく出ているので公正な記述を欠いているかもしれないと思うのだ。しかし、実際魅力ある文章というのは、公正な事ばかりを心がけている文章からは生まれない。この本の魅力というのは、つまり塩野さんの人に対する興味そのものだからである。研究書というのではないのだから、これでよいのである。あとは、読者が判断すれば良い。

なんでもそうだけれど、一冊だけを読んで物事を決めつけてはいけない。たくさんのいろいろな情報源を元に自分のイメージを作り上げていく必要がある。もっとも日本語で読めるローマ史については「それ以外」というのは、みなヨーロッパ人の研究したものの焼き直しになってしまうのだが。

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