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ミケランジェロのようなラファエロ
2006-10-22
朝9時にボルゲーゼ美術館の予約。
ここは現在2時間毎の入れ替え制。なんだか映画館みたいなシステムになっているので、遅れるわけにはいかない。日曜の空いた市内をTAXI三台で飛ばして15分で美術館前に着いた。午前8時半前。庭も少し歩く時間がある。夜半に降った雨も上がっている。

8時45分、今回もお願いした信頼するガイドのS氏とお会いして、入場手続。これからまたあの比類なき空間に二時間いる事ができるのだ。

**
ボルゲーゼ美術館の見学を終えて外に出ると、ちょうどプチ・トレインが来ていた。ボルゲーゼ公園を歩くつもりだったが、後半を考えて今日は乗車。ピンチョの丘まで15分ほどゆっくり。

日曜日の公園は家族連れや観光客でにぎわう。秋の木漏れ日がやさしく、風もない穏やかな日和となった。天気予報はあたらなかったのだ。

ピンチョの丘を降りるとポポロ広場にでる。ここのオベリスクは現在修復中で覆いがかけられている。ま、ローマで修復が全て終わる日なんて絶対やってこないです。広場には日本製ゲーム機の巨大な宣伝模型。

ポポロ教会には11時半過ぎに入る。ミサの前になんとか二枚のカラバッジョとキジ家礼拝堂のベルニーニを見ることができた。他にもピントリッキオのフレスコ画など見所は実に多い教会である。

徒歩にて、映画「ローマの休日」で新聞記者の住居ということになっていたマルグッタ通りを経由しスペイン広場へ。ベルニーニの暮らした家の前を通りトレビの泉へ。

さらに歩きパンテオンへ入る。ここはいつ来ても不思議な空間だ。唯一無二の独創。こんな空間を他に知らない。

ナボナ広場まできたところで、おそ〜い昼食とする。これは意図的に遅い時間にしたのだ。

★日本からヨーロッパへ来て数日は7時間の時差で夜に眠たくなる。居眠りしながら3コースを食べるのは無意味である。むしろ遅めの昼食を豪華なものにして、夕食はごく軽くするのがよいと考えている。今回はそれを実践。

ナボナ広場の古くからあるレストランにて。
アンティパスト、パスタ三種少しずつの盛り合わせ、ポルチーニグリル、などなど。ゆっくり食事をして出てきたら、なぁんと17時近かった。

昼休みだった教会も再び開いている。
アゴスティーノ教会でカラバッジョノ「ロレートの聖母」。それからこの写真のファラエロのフレスコ画を見る。

この写真の筋肉隆々さはまるでミケランジェロと見まがうばかり。ラファエロがシスティーナのミケランジェロを見て感嘆した様がよく分かる作品である。

ラファエロはいろいろな名人の作品から、それぞれのよいところを真似るのが上手だったそうだ。それが剽窃という域を超えて自分のオリジナリティに取り込めてしまうのが優れた資質なのだろう。

つづいてサン・ルイ教会でカラバッジョノ出世三連作を見る。「マタイのお召し」は静謐な明暗のうちにドラマを感じさせる。これを見た当時の人はたまげただろうなぁ。眉をひそめた人も多かったというのは、分かる気がする。現代でもカラバッジョノ「生さ」は、嫌いな人には受け入れ難い。嫌な気持ちがするという。これは時代というより人の嗜好の問題かもしれない。

本日最後の教会は、ソプラ・ミネルバ。私はこの教会の前のオベリスクを背負った像のスマイルが大好きである。

ローマには珍しいゴシックの天井。ベルニーニ作の手になる胸像とマリア・ラッジという尼さんの墓碑がある。何も知らないで入った人には、フィリッピーノ・リッピの美しいフレスコ画が一番印象に残るだろうか。

正面祭壇にはイタリアの守護聖女聖カタリーナの体が納められている。ただ、頭骨だけはシエナのドメニコ教会に移されてしまった。シエナ出身の法皇が許可を出したのだ。

今回はシエナでそれも見ることが出来るだろうから、ちょうど話がつながるだろう。こういうストーリーがつながっていく事が、しっかり観光する喜びである。

***
ホテルまでの帰路一般の路線バスに乗る。
夕方で混雑していた。注意喚起をしていても、スリというのは実際に会うまで実感ない。

小松が最後に乗ろうとした時に、ガイドのS氏が降りようとした二人の手をきっと押さえた。

「おまえら何した!」
S氏の気迫の言葉にたじろぐ二人。浅黒い顔、ジプシーのようだ。

バスがやってきて乗車のどさくさ、ひとりがかばんをあけられたらしい。バスは扉を開けたまましばし凍りついた。時間は5秒もなかっただろう。気が付くと、彼らの足元にあきらかに日本人のものと分かるポーチが落ちていた。



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