時差のおかげで、シンクロナイズド･スイミングをライブで見ることができた。

予選でトップのロシアは当然最後に演技をする。
結果的に、芸術点では５人の審判全員が十点満点をつけたほどの完璧なできだった。

ひとつ前に演技を終えて、トップにたっていた日本の二人は、どんな気持ちで見守っていたのだろうと思う。

もしかして、「ミスをしろ！」と思いはしなかっただろうか？
本当にひとつのミスがあれば、日本が金メダルになるのだから。
心情的にそう思っても無理はない。
真剣勝負の世界では、ミスさえも実力のうちと判断される。

しかし、こうも思う。
同じ究極の舞台を踏んでいる演技者として、
同士を応援する気持ちの方が大きいのではないか。
同じような、きびしい練習を耐えて、すべて注ぎ込んできた苦労は、同じ立場の彼女達なら、痛いほどわかっている筈だから。

もしも、相手がミスをした結果、優勝したとしたら、少し残念に思えてくることだろうから。

いやいや、そんな相手のことがどうという事は、最後にはどうでも良くなってくるのかもしれない。
他の誰の結果も関係なく、最後には「自分自身が自分自身に満足したか」を問うしかない。
何事に対しても、これは同じ事がいえるのだろう。

「あなたは、今日の自分自身に満足しましたか？」