
1990年だから、ソ連のガイドブックとしてはほぼ最後のものだろう。1991年8月にはこの国自体が存在しなくなってしまったのだから。
小松がロシアではないソ連を訪れたのは1989年の一回だけ(だったと記憶する)。このガイドブックはその時のために買ったものだったはずだ。
ページをめくってみると、キエフやバルト三国の案内もある。当時は、それをあたりまえだと思っていたが、今は別の国になってしまった地域がたくさん「ソ連」として認識されていた。
ということは、この先二十年もすると、現在の我々の国家国境認識も過去のものになっている可能性が充分ある。
日本は島国なので、比較的ではあるが国境変更の可能性が少ないのは、幸いだと、あらためて感じるのだ。
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もう存在しなくなった国のガイドブック、二十年も手元に置いておかなくてもよかったですよね(笑)