
これらは十五年は前のアメリカ五十州の案内冊子。
この頃、政府観光局はどこも紙の資料を山ほど制作していた。
今は、どこも「ホームページをごらんください」で案内して、紙の資料は激減している。都心の便利な場所にあった観光局もほとんどなくなってしまった。
つまりこれらは、今は手に入れようと思っても多分存在しない…と思われる。
それにしても、当時の自分は手に入る資料はなんでも溜め込んでいた。実際に行く機会などまわってきそうにない所であっても、「いつややくにたつ日があるかも」と思っていた。
しかし、「やくにたつ日」は、自分でつくらないとやってこないのだと気づいた。
これら冊子の場所の多くは、自分が企画しなければ行くことはなかっただろう場所だ。アメリカ中西部の目を見張るような大自然に魅せられて、ワイオミングやモンタナといったところまで行くようになってきたのは、ごく最近の事である。
資料が本当に「生かされる」旅を成立させるには、十年とか十五年かかるのが当然なのだと、今は理解できる。
でも、もう要らないですね、この写真の資料は…。
これから先、これらの場所を訪れる旅を企画するにしても、この古い紙の資料からでなければ得られない情報や動機付けは、ほぼないだろうから。