
うちに古九谷はありません(笑)
VHSビデオを整理していて、見る予定出なかった古九谷を紹介した番組を興味深くみてしまったのでした。
美術館を覗くのは好きだけれど、陶磁器にそれほど興味を持ってはいない。そんな自分でも古九谷はひと目で他と違う豪放である種日本離れしたデザインに惹きつけられる。織部に通じるものもある。
その二十年ほど前の番組にゲストで出ていた高橋治さんという作家の方が「私が古九谷の精神を表しているのはこれだと思うのです」と言って紹介していたのが、この写真の「畦道文様角皿」であった。
この畦道、実は磁器の割れ目をそのまま使っている。普通なら絵付け前の割れてしまった器は捨てるだろう。それを、割れ目さえも絵付けの中で生かしてしまった。
「生産地が有田だったか加賀だったかという論争よりも、古九谷にはこのような『美しければよかろう』という豪快な精神があることを理解してほしい」
高橋治さんのこの言葉で、がぜんこの角皿の本物が見たくなりました。
が・・・調べてみるとどうやら個人蔵で、特別展の時ぐらいしかお目にかかれないらしいです。