長年聴き続けてきた山下達郎氏の2014年のコンサートツアー初日へ。
パルテノン多摩という、1400人程度のホールだからチケットがとれたのは幸運だった。
近頃、人気コンサートのチケットはネットオークションやダフ屋でとんでもない値がつけられてしまうという。今回はチケットに名前が印刷されており、入場前に身分証明書との名前確認をされ、念のいったことにこの写真のようなリストバンドまで装着させられた。
チケット転売防止のために名前が印刷されるというと、バイロイト音楽祭が有名。
※バイロイトのチケット転売防止について書かれたページがこちらにあります↓
http://ameblo.jp/ubqubq/entry-10393429641.htmlまぁ、ここまでになるとは思わないが、われわれが思うよりも状況はすすんでいるらしい。
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コンサート内容。「マニアック・ツアー」と題するだけあって、我々昔からのこだわりのあるファンには、特にうれしいものだった。
有名な人であればあるほど、あまり馴染みのない観客がヒット曲を演奏するのを目当てにコンサートにくることになる。それは、良いことなのだろうけれど、演奏する側は自分がほんとうにやりたいと思うようなことができなくなっていくという状況に陥ることになる。
達郎氏は今回、そういうジレンマを振り捨てて、自分自身がやりたいように構成したのだそうだ。我々にはまさにツボだった。
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感激したのは、達郎氏にとっては恩人にあたる大瀧詠一氏へのメッセージ。いや、言葉ではひとことも言わない。大瀧詠一の「お」の字も出てこなかった。
それでも、我々に伝わったのは、演奏中の曲の中に大瀧詠一のメロディーがたくさんちりばめられていたから。わかる人にはわかるように、心を込めて仕組まれていた。
自分をこの音楽の世界に引き入れてくれた人への言い尽くせない感謝の気持ちが、「今」の達郎音楽からじんじん伝わってきて涙が出てきた。