モニュメント・ヴァレーの観光で、いつもYさんがお願いしているナバホ族ガイドのウィリーさん。今回は十歳ぐらいの女の子を連れてやってきた。
きけば、「息子の再婚相手の子供」なんだそうだ。あ、ややこしいけれど、つまりは孫娘という事ですね(笑)
ウィリーさんは自分がガイドの仕事をするところを見せて、ナバホ族の伝統の笛を吹いて聴かせた。巨大な岩のドームが演出する自然のエコーは、日本の尺八に似た笛の音を、どこか神秘的に響かせてくれた。
今日は何気なく聴いているだろうこの笛の音を、大きくなった彼女はどんな風に思い出すのだろうか。
あと十年しないうちに、彼女も仕事を探す年代になってくる。
そうした時、自分が普通のアメリカ人とは違う先住民である事を否応なく意識させられることになる。
半世紀も前ならば、先住民である事は、アメリカ白人社会ではマイナスでしかなかった。誇りをもって生きていく事は難しかった。
現代でも、ネイティブ・アメリカンである事に誇りをもって生きる事は簡単ではないと想像する。
「誇り」の裏付けというのはなんなのだろう。
あるいは、「ウィリーじいちゃんがいつも聞かせてくれた伝統の笛の音」だったりするのかもしれない。