《手造の旅》あなたの知らないロンドン、パリ+シャルトル 三日目。
今回のツアーを企画した段階で、小松が全く知らなかった見学場所がエクセターという街。手配段階での手違いでフランスへ向かう船の乗り場がポーツマスからプリマスになり、その結果「ついでに」行く事になったのだ。
いわば、怪我の功名。これが、一見に値する場所だった。
イギリスで有名な大聖堂というと、「マグナカルタ」の置かれているソールズベリーやロンドンのセントポールがあがるだろうが、このエクセター大聖堂もそれらと比肩する。
ノルマン時代11世紀に建設がはじまったという四角二つの塔にはさまれた、13世紀に建設された長いゴシックアーチの天井は、この時代のものとしては世界最長だそうだ。96mもあるし、なにより視覚的に美しい。
★EXCETERの起源はローマ時代、それ以前のケルト時代にさかのぼるといわれる。ローマの都市ISCA DUMNONIORUMと呼ばれ、ブリタニア属州の州都であった(現在でもデヴォン州の州都になっている)。
カエサルの「ガリア戦記」にも出てくるこの街、ローマ人以前の先住ケルト系民族のUSK(ウスク)という川の名前に由来するらしい。
古代ローマ時代に栄えた軍団都市であったのは間違いないが、紀元後380年以降のコインが見つからないので、ローマ撤収以降は一時放棄されていたと推察される。
270年の空白の後、紀元後680年にSt.Bonifaceが修道院をひらいてからが、現代につながる街の歴史となる。
●街の歴史を調べていてもうひとつ面白かった逸話
1066年の「ヘイスティングの戦い」で征服王ウィリアムが勝利しノルマン王朝を開いたのは有名だが、戦死したライバルのハロルドの母Gythaがここエクセターにに住んでいた。
息子を殺された彼女は翌年反乱を起こし、ウィリアムは18日間の包囲戦の後それを陥落させた。
これ以降に建造された城が今も町の端にあるRougemont城だそうだ。
現在の城はずいぶん改修されてこの11世紀のものとはずいぶん違う外観になっているようだが。
●また、大聖堂に飾ってあったひとつの古い旗が気になり写真にとって解説を後から読んだ。すると、それは南極探検へ行ったあのロバート・スコットが第一回目の南極探検(1901-4年)に持って行っていたものだった。
エクセターのあるデヴォン州は彼の出身地で、スコットの母が後年ここへ寄贈したということである。
**
この日の写真日記は下記からごらんください↓
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/1f88f8a4c84fda9d772ec83bdae18e89