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ビートルズのショーへ
2013-08-21
《手造の旅》あなたの知らないロンドン、パリ+シャルトル 二日目。

この企画を考えはじめた時から、ロンドンでなにかミュージカルを見てもらいたいとは思っていた。

しかし、時差がまだ強い二日目の夜に、劇場で英語劇を見せられたら、多くの人がコテンと寝てしまうだろう。「レ・ミゼラブル」ぐらい面白くても、言葉が分からないというのはその危険性がある。

どうしょうかなぁ〜とおもって日が過ぎていったが、ひとつ前のツアーで8月15日にロンドンへ入った時、サヴォイ劇場で「LET IT BE」という題名のビートルズのライブ・ショーが行われているのを知った。

ん、これならいけるかもしれない。今年から始まったショーで、まだ知名度は高くないが、これから人気が出てくる演目の先取りになるかもしれない。翌日、劇場の窓口へ行って直接一番良い席を購入した。

**
さて、今日がその当日。

朝から大英博物館の濃い説明を聞き、公共バスで移動して、たくさん歩いた。コベントガーデンで軽く夕食を食べて、さぁ、いきましょう。

ローストビーフで有名なサヴォイホテルの入口横から地下の劇場へおりてゆく。三階席まであるが決して広くない。ロンドンの劇場はこのちいささが良い。

オープニングまでの時間、緞帳代わりのスクリーンに当時の音楽やCMがたくさんながされる。客席のそれなりの年齢層の客たちは懐かしそうに見入っている。

オープニングはリバプールのキャバーンクラブから。
I saw her standing there
I want to hold your hand
All my loving
From me to you
Happy just to dance

そっくりさん四人、よく雰囲気出してます。
続いてワールドツアーの時代、アメリカのスタジアムでの様子を再現している。
A hard days night
Can't Buy me love
Ticket to ride

アコースティック曲のコーナーがあって
Black bird
Yesterday
Norwegian wood

この時代の曲はバンド演奏がやりやすいから、ビートルズのコピーバンドは好んで演奏する。
前半の最後は
Drive my car

休憩時間二十分ほど

後半をどう演奏してくれるのか、気になる。当時はステージでは再現不可能と言われた曲がたくさんあるのだから。

Magical Mystery Tourからはじまった。出てきた四人はすでにサイケデリックに変身している。
SGT. Pepper's Lonery Hearts Club Band
Lucy in the sky with diamonds
Strawberry fields forever
この半世紀で楽器は大きく進歩していて、五人いれば(後半はサポートメンバーがひとりはいった)どんな音でも楽に再現できてしまうのだ。
心配は無用だった。

そういえば、前半でもEleanor Rigbyをやっていたっけ。ポールは近頃のツアーで盛んにビートルズ時代の曲をとりあげるが、これもその一曲だ。

A day in the life
ジョンが歌っていたこの曲も、最近ポールがステージでよくとりあげている。このステージでも演奏された。
※途中に出てくる歌詞「二歩でバスに飛び乗って、二階に上がり煙草をすうと、またまどろみ、誰かが遠くで話している」歌詞(この訳でほんとにあっているのかしらん?)彼らの曲でたくさん英語をまなばせてもらいました。

三階席がとても盛り上がっている様子。どうやら、ステージ上のメンバーそのもののファンがたくさん居るらしい。それにつられて、おとなしいスツール席の我々年長組(笑)も、のせられていく。
いや、そうでなくても、ロンドンの観客は日本とは違う。素直に自分の気持ちを出して楽しんでいる。まわりがどうでも、自分が気にれば拍手するし立ち上がる。声を出して歌う。


「今日は残念ならがエリックがいないのだけれど…」と、ジョン役が笑わせてから演奏したのは、もちろん
While my guiter gently weeps
当時から知られていたことだったが、あのギターはジョージ・ハリスンではなく、エリック・クラプトンが弾いていたのだ。

英語が分かる観客かどうかというのも、こういうステージではもりあがりがちがう。英語圏以外でこのライブ・ショーが公演できるようになるかどうか、そのあたりが分かれ目だろう。

Revolution
Hey Jude
All you need is love

演奏する彼らは、前半よるもずっとリラックスしている。彼ら自身がファンであるビートルズの演奏を楽しんでいる。

一曲だけ、ビートルズのレコーディングにはない曲が演奏された。
Give peace a chance
ジョンが解散後に録音している。

ビートルズが活動していた時期にはまだ十歳になっていなかった小松は、その後の時代しかしらない。しかし、1980年12月8日のジョン・レノン射殺のニュースの時には大学一年。第一報を聞いた時の事を今でもよく覚えている。
深夜放送のベストテンにはポールとウィングスの曲が常連だった。

人は誰でも与えられた時代を生きるしかない。そこにある音楽はそれぞれちがう。少し遅れてはいるけれど、ビートルズの音楽を自分の時代の音楽として感じられる事は、ほんとうに幸せだ。

Let it be
二十年以上前に、横浜からグアムへ向かう船の中のステージで、この曲を歌った事を思い出した。
その時はじめて、この曲の歌詞の深さを感じられた気がした。

LET IT BE は、よく「なすがままに」「そのままに」「あるがままに」などと訳されているが、これらの日本語からは言語の持つ意味ははがれおちてしまっている。
この詩はキリスト教あるいは信じる事の救いを歌っている。訳すことは出来ない、そのまま感じられるように、自分が成長するしかない。

And when the broken hearted people
Living in the world agree,
There will be an answer:
Let it be.

For though they may be parted there is
Still a chance that they will see
There will be an answer:
Let it be.

この日の写真日記は下記からごらんください↓
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/25d3ec3ccd36d796f29a4aa60ff3750d



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