この写真を撮った時、すでに左ふくらはぎ肉離れしておりました。降りてから歩いて氷河湖のところまで行くはずが・・・無理でした。
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ノルウェーの氷河観光のなかでも、最も有名なブリクスダル氷河は、普通のバスでは近寄れない。六人乗りのジープに乗り換える。
到着してからあらためてジープ乗車時間の指定を受け、その時間に乗り場へ行かなくてはいけない。今日はアイテナリーより二十分早い13時ちょうどを指定された。
昼食を急いでもらって、乗り場へ小走りに…と思った瞬間、左足のふくらはぎにズンっというような衝撃がはしって、その場で足が動かなくなった。
ぎゅ〜!!っと、巨大な手で握りしめられたような痛み。でんぐりがえった筋肉が収縮している。ひどく「つった」のかもしれない、とにかく今は目の前のジープにたどりつかなくては…よたよた乗り込んだ。
氷河へ向かうジープは約十五分。この間に回復したい。降りてからさらに十五分歩かないと氷河までたどり着かないから。
旅の皆さんをお世話必要はもちろん。氷河はかつての馬車の時代からは考えられないほど後退していると友人から聞かされていたから、自分の目でどんな状況になっているのかも、見てみたいではないか。
かつて馬車が引いて登った道を、ジープは楽々のぼっていく。すごいしぶきを浴びて、滝の上に出ると、そろそろ谷の一番奥。晴れた空の下、薄青い氷河が見上げるような位置に見えてきた。
降りて、さて…ううむ…とても歩けない。一歩も足が前に出せない。ふくらはぎに少しでも力を入れると飛び上るほど(とても飛び上れませんが)痛い。大変申し訳ないけれど、ここは皆さん各自で氷河まで行ってきてもらうしかありません。幸い一本道だし詳しい説明が必要な場所ではない。
「ちょっと休んだら、追いかけよう」と思った。
ちょっと、経った。
十台ほどのジープに分乗していた観光客は全員氷河へ向かい、小道にはひっそり太陽があたっているだけで誰もいない。
日陰に岩があるのでそこへ移動…この数メートル、しかし数歩さえ容易に動けないのである。左足を着地すると、その瞬間痛みで身体が止まってしまうのだ。結局皆さんが氷河から戻ってくるまでの四十五分間ほとんど動けなかった。
ふたたびジープに乗り、バスの待っている駐車場へ戻る。なんとか乗り換えて、今日はこれからホテルへ向かうだけ、ほっ、よかったぁ。
フィヨルドに面したクラシックなクヴィクネスホテル、夕食もホテルにて。明日には回復しますように。
※この日の写真日記は下記からごらんください
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/a6edf1cd19c03cff241a171cc3957415