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スティーブ・ジョブズのスピーチにみる「葉隠」
2013-06-10
2005年にスティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチを、フェイスブックで紹介してもらった。
**
内容は下記youtubeからごらんください。※日本語字幕は何種類かあるようで、これは比較的直訳されたものです。
http://www.youtube.com/watch?v=XQB3H6I8t_4

この中で、彼が死について語っているところは、まるで「葉隠」の考え方である。江戸時代半ばの佐賀鍋島藩の隠居侍・山本常朝が書いた侍訓は、現代PC界寵児の人生訓と共鳴している。

ジョブスは毎朝、「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることは本当にやりたい事だろうか。」と問いながら今日まで生きてきたと語る。

山本常朝は「端的只今の一念よりほかはこれなく候。一念一念と重ねて一生なり。ここに覚え付き候へば、他にせわしき事もなく、求むることもなし。」と書いた。

身一つであるという覚悟さえ決めてしまえば、いろいろな付属物のほとんどは意味を失う。いちばん大事なのは、その瞬間の自分なのである。

それはともすると刹那的快楽主義に陥る危険も含んでいる。

葉隠はこの落とし穴も予想している。
「人間一生誠にわずかの事なり。好いた事をして暮すべきなり。 夢の間の世の中に好かぬことばかりして苦を見て暮すは愚かなことなり。  この事は悪しく聞いては害になること故、若き衆など之は語らぬ奥の手なり。」

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