イスタンブル、考古学博物館より
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ここの目玉であるシドンから発見された石棺には、アレクサンダー大王の乗馬姿も刻まれていた(※写真左側、拡大してご覧ください)。
それゆえ、最初はこれこそがアレクサンダー大王の墓だと思われたのである。しかし、この墓の持ち主はアレクサンダーが征服した地の新しい支配者に任命したアプダロニモス(※写真右側)のものとされている。
恩人アレクサンダーの姿も自分の棺にきざませた、ということである。
人物のなかで、アレクサンダー大王を特定する根拠の一番は、ヘラクレスをまねてライオンの皮をかぶっていたという事。それに、(今はなくなっっているが)髪を飾っていた冠飾りだ。
また、アレクサンダーの愛馬というのも有名で、人物特定の根拠になりえる。
★ブペパロスという名前の猛々しい馬(説には「人喰い馬」だったというものもある)は、誰にも慣れず人を寄せ付けなかったが、若きアレクサンダーだけがそれを御し、愛馬としたという。
ブケパロスという名前はブース=牡牛+ケパロス=頭からきている。その頭の模様が牛の角のようだったとか、また、本当に一本角が生えていたとも言われる。
この石棺でアレクサンダーが乗っている馬をよく見ると、確かに額の間に角のような突起が小さく彫られている。