マテラからナポリへの途上の道から見えた街。
イタリアに限らないが、歴史ある国を車で走っていると、目を留めてしまう街が見えることがよくある。
南イタリアの山がちな道を抜けていくと「ホラティウスの街」と付記してあるVENOSAの案内が見えた。
手元の地図とツーリングクラブイタリーの本を調べる。そのうち、右手の丘の上に写真ような街が見えてきた。地図とそこに記載された建物を比べて、そこがVENOSAの旧市街そのものであると分かった。
写真左手に見える十五世紀の巨大な城は1470年頃から建設され始め、その石材として旧大聖堂を取り壊した石材が使われた。写真右手の大聖堂鐘楼は、取り壊された旧大聖堂のかわりに建てなおされたものだが、その建設資材には古代ローマの石材がたくさん使われているのだという。ふうむ、間近で見てみたい。
街の歴史は古代にさかのぼり、ヴェノーザ出身で最も有名な人物はホラティウスという紀元前一世紀の人物。かの初代ローマ皇帝アウグストゥスの宮廷で活躍した詩人で、年齢も皇帝より二歳年下なだけ。はじめて自伝というものを書いた人物とされるそうな。彼の墓とされる場所も旧市街にあるとか。
また、町はずれには初期キリスト教会の大規模な修道院跡など、興味深いそうな記述が目についた。
ううん、一生いかない街かもしれないけれど、ちょっと記憶しておこう。
この日の写真日記は下記からご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/fcdb67561bc676cfa5f9422fcc2a386d