トロムソにて終日自由の一日。
犬ソリへ参加の方をお送りしてから、ポーラー博物館へ行く。
だいぶ以前に観光の途中だったかにちょっとだけ見学したきりだったのだが、ここにはナンセン、アムンゼンをはじめとして北極圏探検の先駆者たちの資料があった筈。それをもう一度ゆっくり見ておきたかった。
こういう時に得た知識が、後々いろいろなところで役に立ってくるものである。
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写真はアムンゼンが最後に遭難した飛行機に積まれていた燃料タンクである。意図的にあけられた三つの穴が何を意味するのか?
1928年8月、彼はライバルだったイタリア人探検家が飛行船で消息を絶ったのを捜索するため、ラタム47という飛行艇に乗ってトロムソを出発し、二重遭難した。
左翼残骸発見の後、10月にこの燃料タンクが海岸にうちあげられた。三つの穴があけられていたが、中にはまだ三十リットルの燃料が残っていた。これは、何を意味するのか?
説明版の仮説をいくら読んでもいまひとつイメージできないのだが、これは事故の後、再び離陸する試みが行われた事を示しているというのである。
燃料タンクの位置を変える?軽くする?バランスをとるため?小松には機体の知識などがないのでよくわからない。が、とにかく最後まであきらめずにできる限りの事を試みていたという事が、理解できた。