《手造の旅》秋のスイス、三日目。
あいにくの雨である。それでも、湖を見下ろす葡萄畑を歩けば、この旅を企画・催行できてよかったとしみじみ思う。それだけの雰囲気と景色があった。
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ベルンから西へ一時間ほど、ベルン州の西の端。黒熊のベルン州旗にスイス国旗、それにトゥヴァン村の旗が掲げられている※写真下。
一度村の道を通り抜けて、ワイン畑に上っていく坂道に入った。きちんと並んだ葡萄の木々。黄色く色づいた葉が、短いスイスの秋を感じさせる。
雨に煙る湖に沿ってうねうねと黄色い葡萄畑が続いている。眼下の尖塔は村の教会。よくあるヨーロッパの田舎村かもしれない。でも、こういう場所をこそ、我々旅人は訪れたいと思っている。
朝10時過ぎ、細いメインストリートにようやく店が開き始めた。近くの農家からチーズやソーセージ、手編みの帽子、手造りアクセサリーなどなど、素朴ながらここでなければ出会えない品々ばかり。
ビール湖の対岸はスイスながらもうフランス語圏。収穫祭の出店でも「ボンジュール」と話しかけた方がよいのか、相手の顔見てしばし考えたりする。
ワインを樽からそのまま出してくれる店がいくつもある。雨の朝で空いていた小さな酒蔵へ。十四人で二テーブルを占領。言葉の通じない珍客にも農家のおかみさんはとても親切な非観光地。
このあたりで造られるワインは圧倒的に白。シャスラ種でつくられたものは、すっきりして飲みやすかった。「おいしいねぇ〜」とほめていると、いかにもワイン農夫というおじさんが登場、席をまわってがっしりした手で全員とそれぞれ握手。ごわごわした力強い手の感触が今も残っている。
ラベルがとてもきれいなボトルを一本10スイスフラン(約九百円)にて購入。この旅を思い出すしかるべき場所で開けたいなぁ。
11時半近くになって、店も多くなってきた。今日のお昼はここらで買い食いの予定。アジア風カレー味の焼きそば?もある。巨大な豚のソーセージ。そして秋らしい焼き栗が今日みたいな日にはぴったり。
※写真入りの日記は下記でご覧いただけます。
午前:ワインの村トゥヴァン
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/9d3d054db84d4a4e78bb23d97bfa4a62午後:城壁の街ムルテン
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/4f8537b58b3cd56da7a0cef563680400美味しかった夕食はこちら
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/c56d33408b07ba0aaaae7e8f8bab3121