バルセロナのガウディ建築「カサ・ミラ」の柱のひとつが、「通行人の往来を邪魔している」として撤去を求められていたのだそうだ。※写真奥、日陰に位置している柱
時はまだガウディ存命中の事。「カサ・ミラ」はあくまで個人の注文住宅であり、観光名所でも世界遺産でもなかった当事である。
少し引いて全体を周囲と比較してみると、確かに「カサ・ミラ」だけが、グラシア大通りの他の建物より少し高くなっている。
その波打つファサードを支える柱の一本が、勢いあまってグラシア大通りに少し出てしまった、というのがこの場所になろうか。いずれにしても、「カサ・ミラ」は建築許可が出されたよりも全体に大きくつくられているようだ。つまりは違法建築、バルセロナ市当局のクレームは当然だろう。
しかし、ガウディは簡単に従いはしなかった。「柱を切り取っても良いが、そこに『バルセロナ市の命令によって切断された柱』と彫り込むぞ」と、いわば脅してそのままとおしてしまった。