コンスタンチノープルを征服したオスマン・トルコのスルタン=メフメット2世は1432年3月29日、当時のトルコの首都エディルネで産まれた。
その場所には、父ムラト2世の時代には宮殿があったとされている。この写真の建物はその廃墟の一角につくられた小さなペンションホテル。
すぐ前には建築家シナンの傑作セリミエモスクがそびえているが、当時はそんなものはもちろんなかった。泉の沸くその丘の上はどんな状態だったのだろう。
この建物に付属していた解説板によれば、1362年にエディルネ(当時はアドリアノポリ)を征服したトルコは現セリミエモスクのある場所に最初の宮殿を築いた。宮殿付属の「タチョダラール(発音に疑問あり)」と呼ばれる建物でメフメット2世は産まれた。
新宮殿が完成すると、こちらは家臣の家になり、1876年から1965年にはスリッパ職人メフメット一族とその家族が住んでいた。政府がそれを買い上げ、今はペンション会社が借りているというわけである。