トルコの西の端・エディルネ。
15世紀末にバヤズィット2世よって建設された医療総合施設を見学している時、その一室で写真のようなマーブル紙(大理石のような模様をつけた紙)の実演販売をやっているのに出会った。
三分ほどのあいだに定められた手順が要領よくこなされていく。「簡単に見えるけど難しいのよ」なんてつぶやきながら、目の前で美しいチューリップの描かれたマーブル紙が出来上がった。
マーブル紙というと、フィレンツェやヴェネチアでよく売られている。イタリアのお土産品なんだと思っていたが、トルコにもあるんだ…いえいえ、調べてみるともともとイタリアにはトルコから入ってきたもので当初は「トルコ紙」と呼ばれていたそうな。
二つと同じものは出来ないことから外交用の重要文書の紙としても使われていたとのこと。トルコの方が御本家でありました。
さらに、日本の「墨流し」は9世紀にまでルーツを遡るとのことで、これがシルクロードを伝わってマーブル紙になったという説も。同じような技法が世界の各地で考案されていったのですね。