数年前、深夜のテレビで見かけて、その三十分ほどでぐぐっと惹きつけられて。以来聴いているバンド「チャット・モンチー」は徳島出身の女性バンドであります。
三人編成、つまりギターとベースとドラムでずっと活動していた。
徳島のライブハウス時代の逸話に、靴下でステージに登場したというものがある。理由は「エフェクター(ギターの音をコントロールする足で操作する機械)が踏みにくいから」だという。
彼らが「ガールズバンド」としてではなく、見かけなどではなく、音楽そのもので勝負しようとしてきた姿勢が感じられる。
動画をひとつ↓注:音出ます
http://www.youtube.com/watch?v=L5Wdjh07Sto&feature=related詩と曲のオリジナリティ。演奏も必要十分なレベルできちっとしている。この三人でないと成立しないと思える、バンドとしての音を出していると思う。
2007年リリースのフルCD「生命力」、2009年の「告白」、この二枚でひとつの頂点を迎えたように見える。
※彼らのHPのディスコグラフィー
http://www.chatmonchy.com/disco/あれだけのCDをつくってしまったら、その後がたいへんだろうなぁ、どうするんだろう、と思っていたら、なんとアメリカのライブハウスや音楽フェスティバルをめぐるツアーをやって、そこでもかなり好評を得てしまった。
下記のフェイスブックでもアメリカのファンからの書き込みがどんどんされている。
http://www.facebook.com/chatmonchy順風満帆に見えていた。
が、突然この三人グループから、ドラムのひとりが脱退してしまった。
なぜ?とか、内部事情など(興味はあっても)詮索する意味はない。大事なのは二人になったチャント・モンチーがこの後、どのように展開するのか、という事だ。
三人というのはバンドとして最低限の編成。だから、代わりのドラマーを加入させるだろう、誰もが(私だけ?)そう思っていた。
しかし、二人の選択はちがった。
ベースを弾いていたメンバーが、猛特訓してドラマーへ転向!ベース無しの二人編成バンドとして活動を再開したのであった。
えええ!二人でベースレスのバンドやるの?その編成じゃぁこれまでの曲はできそうもないし、ちょっと無謀じゃないかい?と、思った。
おそるおそる、「たぶん成立しないだろうなぁ…」と失礼ながら思いながら、二人になったチャット・モンチーの新しい曲を聴いたのだった。
ところが!聴いてみたら、これが曲としても演奏としても、おもしろかった。ライブの映像も見てみた。ちゃんとバンドとして成立していた。
なにより、三人編成だった時代のチャット・モンチーをずばっと過去と割り切って、新しいバンドとして全力で突っ走りはじめている気持ちがぐいぐい伝わってきた。「これまでの曲」にこだわってなどいなかったんだ。
彼ら二人、今、すごいです。ある意味バンドとして最大の危機を逆手にとって、もうひとレベル上のミュージシャンに成長しようとしている。
一度世間から大絶賛された後、その世界から抜け出すのは、誰にとってもそう簡単なことではない。メンバー脱退という事態によって、やむを得ずではあっても、それを実現している姿に勇気をもらっています。
二人になったチャット・モンチーの動画↓注:音出ます
http://www.youtube.com/watch?v=Oddb6oIqPv0彼らのHP日記に、二人になって活動するのを決めてからの一年を振り返った言葉がありました。
http://6109.jp/chatmonchy/?cate=1075