そうえば、22日に日本へ到着するアリタリア航空の機内で隣あわせたイタリア人女性はもう今日あたりイタリアへ帰国しているだろう。
彼女はアリタリア航空のクルーだが、今回は東京へのいわば回送というプライベート。さらに、乗っている機の副操縦士がご主人だそうで、一緒に短い日本滞在を楽しむ予定と話していた。
雨模様でじめじめのこの時期の日本。富士山を見たいと話していたが、ちょっと無理そうな天気。京都へというのには時間が足りない。さて、それではどこを勧めましょう?
話に出てきた地名に鎌倉があったので、そこが良いかなとおもって、少し説明する。さて、全く日本の歴史を知らない外国人に対して『鎌倉とはどういう街なのか』どう説明します?
一日しかいられない外国人に、鎌倉のどこを訪問することを勧めます?なかなか難しい問いである。
でも、よく考えてみると、我々日本人が外国を訪問するのにしても、求められる説明というのは同じような事である。ほとんど知識を持たない相手に『要するにどういう場所か』『何がその地を理解するカギなのか』を上手に提示する。最初にその方向性を与えることができれば、そのあとにどんな本を読んでいくのか、何を見ていくのかも、視点が定まる。
最初の指南役というのは責任重大。幼児教育と同じ。
日本の漢字に興味を抱くのも、多くの西欧人に共通する。
表音文字の民族に、表意文字の面白さを説明するのは楽しい。「山」や「木」という、まさにその形をもとにした漢字。「木」がたくさん集まって「森」になるというわかり易さ。
日本人の名前も、たとえば小松は「小さな松です」と説明しやすくて便利。
メールでこの写真をお送りしたら、今日返事がかえってきた。
「天気にはめぐまれませんでしたが、楽しい日本滞在でした」