ヴァチカンを含むローマ観光の一日。
ヴァチカン美術館はもともと美術館としての建物ではないから、見学するには非効率的なルートを延々歩かなくてはならない。あまりに膨大な展示品もそう簡単に整理はつかないようにみえる。
しかし、そういう際限ない収蔵品を、ひとつひとつ研究している人も、もちろんちゃんと居る。そしてその成果は、時折我々一般観光客も理解できるように展示されている。
今回ゴブラン織りの廊下でその一つの紹介があった。ラファエロの弟子が下絵を描いたというキリストの生涯の連作。写真上はその中の「幼児虐殺」のシーンから逃げる女性の顔を拡大したところ。
写真下はヴァチカンの別の部屋にラファエロ本人が描いている「ボルゴの火災」のフレスコ画にある女性の顔。
なるほど、左右は反転しているが、ラファエロの弟子が師匠の絵をもとにしている事は疑いない。このタピスリーが制作された時期にラファエロはすでに亡くなっていたそうだ。死後もこうして多くの影響を与え続けていくのが優れたクリエーターだった証拠であろう。
※この日の写真日記は下記参照
http://blog.goo.ne.jp/komatsusin/e/ad514c7baee846371b7d9ad2b5cb995a