ロンドンオリンピックが近いので、大英博物館でもはいってすぐのところにこの有名なミュロン作の「円盤投げ」が置かれていた。これ、頭部は違うのです。※世界の写真からイギリス⇒ロンドンをごらんください。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/myalbum/photo.php?lid=2082&cid=199★ところで、この円盤投げの像は、現代の円盤投げと決定的に違うところがある。現代の競技者は、円盤を投げる方とは逆の足を軸にしてふんばる。実際に真似してみるとわかるのだが、それが投げる方法として自然に感じられる。
なにゆえ古代のミュロンはこんなスタイルで円盤投げの像を彫ったのだろう?「この方が美しく見えるから?」「あるいは古代の円盤投げのルールだった?」説明してくれる資料はない。
1896年第一回近代オリンピックの際、ギリシャの選手はこの像こそが円盤投げのお手本だと信じ、同じスタイルで円盤を投げた。しかし、その結果、人体の自然な動きに沿って投げたぽっと出のアメリカの選手に敗れてしまった。
もう一度言う。ミュロンは何故こんなスタイルで「円盤投げ」の像を彫ったのだろう。それが原因で二千年後の子孫が競技に敗れることになろうなど、ちょっとだって想像しなかっただろう。