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モツィアの青年像、シチリアから大英博物館へ
2012-06-15
今日は19時過ぎに帰国便JAL402便に乗る日。

午前中はロンドン市内観光。
昨夜、ホテルに着いた頃に雨が降り始めていたので、今日は雨になるだろうと思っていのたが、朝になってみるとこの旅いちばんの青空である。

ロンドンの街には、先日のエリザベス女王のゴールド・ジュビリー(即位60周年)式典の余韻がまだ残る。バッキンガム宮殿前の広場にくると「きのうまではここも入れなかったのです」と、ガイドさんが言った。

半日観光で大英博物館が入っている。忙しくてあまり時間が取れないのだけれど、衛兵交代を無理して入れるのを止めて、今日はこちらに少し多く時間をとった。

定番のエジプトセクションの他に、いつもは紹介してもらえないクリスタル・スカルやイースター島のモアイ像など、目玉品と言える品も見せてもらえた。

しかし、何といっても今回驚いたのは、パルテノン神殿のレリーフ「エルギン・マーブル」の部屋に入った時である。

**

大英博物館のハイライトのひとつ、アテネのパルテノン神殿からもってこられたレリーフ=通称「エルギン・マーブル」の部屋。

これまで何度も入っている場所だから、あるべきものがあるだけなら驚きはしない。有るとは予想もしないものがそこにあった。それも、昨年自分が《手造の旅》で苦労して見に行ったシチリアの片田舎にある白眉の古代彫刻作品が。

★「モツィアの青年像」もしくは「御者像」は、シチリア島の西の端にあるモツィア島で1979年に発見された。
そこはイギリス人ウィトカー氏が発掘のために買い取った島で、そこにある小さな(といっても見ものは多い)博物館に展示されていた。それが、まさかここに来ているとは。たまたま?これからずっと大英博物館に?これが無くなったら、シチリアの不便なモツィア島へ行く人なんて減ってしまうのではないだろうか。

紀元前450年頃の作といわれるこの石像は、チャリオットレースの勝利者で、レースの後、誇らしげに腰に手を当てている様子と言われる。
長い柔らかな布地が体にまとわりついているのは、当時のこのレース用の衣装が汗に濡れた様子を描写しているとされる。
布地の下のたくましい肉体が手に取るように感じられる。アルカイック期の最後にあたる表情も、欠けてはいるが誇らしげな表情が見えるようではないか。

※昨年のシチリアで出会った時の事は下記をごらんください。
http://www.tour.ne.jp/blog/komatsusin/21865/

★「クリスタル・スカル」は、映画「インディ・ジョーンズ」でおなじみだろう。大英博物館が1897年にティファニーから購入した。その頃は15世紀アズテカ文明のものとされていた。
それが、どうやら19世紀のものだと最近鑑定されてきた。
ぴかぴかに研磨されていて、それがどのような方法の研磨機によるのか判然としなかったのだが、極小を顕微鏡でみてはじめて、機械による研磨のあとが発見されたのである。
ただ、材料自体は南米のクリスタル・ロック(自然の石)が用いられており、19世紀に手を入れられた可能性もある。
掃除のおばさんが、この骸骨を掃除していて催眠状態におちいったとか…そんな話もあるのだそうだ。いずれにしても見てみたくなるシロモノでしょう?

★エジプトセクションに展示されていた石の作品。なんの用途かはわからないが、しゃれたデザインにちがいない。この作品は、前出の「モツィアの青年像」と同じ時期のものである。
ギリシャとエジプトという地中海をへだててはいるが近接した文明がうみだした。この二つを見ると、現代に我々が「新しい」と思ってつくりだしていることなんて、とっくの昔にはるか上質の完成品が存在していた、そんな気持ちになる。

「あなたの知らない大英博物館」なんてツアーを考えてみたくなります。

****
16時にホテルを出発。
機内でほっとして目を閉じると、眠っているうちに飛行機は飛び立っていた。



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