北スペイン、フロミスタのサン・マルティン教会はロマネスク教会の美しさを凝縮したような造形であった。
北スペインらしく雨に降られたり曇った日が続いていたから、とくにこの日から始まった穏やかな晴天・良い天気が嬉しかったのかもしれない。いや、それだけではない。どんな天気でもこの教会は美しいだろう。
この教会の成立は年号がはっきりしている。ナバラのサンチョ大王の妃ムニア(彼女もラ・マヨールと称されることもある力のある人物であった)が、1066年の遺言状に教会建設のための費用を遺贈すると書き残している。1118年にカリヨンの修道院に管理が移行するが、19世紀半ばに廃止。
そこまででもオリジナルの姿からはだいぶん改変されていたと推察されるそうだが、19世紀末から20世紀初めにかけて、オリジナルのロマネスクスタイルで修復されたということだ。※「スペイン・ロマネスクの旅/池田賢治著」(中央公論新社)より
これだけ美しいフォルムが中世の全くのオリジナルなのか?それとも修復時の「願望」がかなり入ってしまっているのか?わからないがとにかく美しい。