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村のカフェで朝食を
2012-05-26
《手造の旅》北スペイン、パリよりJAL406便にて成田へ帰着の日。
**
ヴィラフランカ・デル・ビエルツォという村へ立ち寄った朝、とても良い天気だった。朝食はホテルでもちろん出されていたが、前の晩しっかりたべて(食べ過ぎて)いたので、ほとんど何も食べないで出発していた。

この村を訪れるツアーもある。しかし、ガイドブックに書かれた教会を見て、旧市街を三十分ほどで通り抜けてバスに乗って離れていく。それが「決まった行程」であり、それを守るのがパッケージツアーなのだからしょうがない。

でもね、今日はとっても良い天気だった。村の入口の城前でバスを降りるとさくらんぼを売っていたので買ってみんなで分ける。この地域はワインの産地でぶどう畑が見えていたので、そこへ行ってみたいと思って歩く(でも、出られずひきかえす)。

ロマネスクの教会の丸い後陣が青空に美しい。アルベルゲ(巡礼用の宿泊施設)はもうみんな出発してしまったようで、窓を開け放って空気を入れている。旧市街の建物に組み込まれた小さな教会では静かにミサが進行中。

市役所前の細長い広場に出ると、カフェのテントの下のテーブルが招いていた。みんなでひとやすみ。十人程ならこういう事ができる。

小松はそろそろなにか食べたくなる。時間は十時過ぎ。こういう時間にスペインの会社や学校で休憩時間が入るのを、体で実感できる。

ミルク入りコーヒーとチュロス、そしてさくらんぼの残りをつまむ。決まりきった行程でなく過ごすこういう時間が、あとあとほんとうの旅の記憶になっていく。結局一時間半もこの村へ滞在していた。



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