きのう、ラスベガスの東を通ってくるときにモアパ族リザベーション(「保護区」と訳されたりするが、どうも語感がしっくりこないのでカタカナにします)に止まった。
これまで何度も通っていた道路に、こんな小さなリザベーションが設定されている事を知らなかった。※写真上でラスベガスの右上に小さく見える茶色の四角い囲みがそれ
現在では二百人ほどになってしまった部族だそうだ。彼らがどういう人々なのか、検索してみるとすぐにこういうサイトが見つかった。
http://www.moapapaiutes.com/アメリカの先住民がそれぞれ苦難の歴史をたどってきたのは知られている。しかし、彼らが今どのようにして「生かされて」いるのか、には、あまり焦点が合わされないのではないだろうか。
二十分ほどの停車だったが、砂漠のハイウエイ沿いにぽつんと存在する彼らの店(※写真中)で、それを少し感じる事ができた。
彼らがそこで売っているものは、民族細工物などではない。それもおかれてはあるけれど、主要なものは花火と酒だ。
ラスベガスでは花火は特定の日でなければ許可されていない。それによりラスベガス市内では花火販売も許可されていない。そこでそれを専売できる事がこのモアパ族の、いわば「利権」になっている。
先住民であることで「利権」を与えられ、ラスベガス市内から酒と花火を人々が買いに来る事で生きる場を与えられている人々には、先住民区の多くの場所で感じる無気力が漂っている。
また、ラスベガスの北には「マーキュリー」と呼ばれる地下核実験の施設があり、そこで生じた核廃棄物を運搬するルートとしてモアパ族のエリアが使われたという話も検索していてみつけた。
道路からは煙を上げる火力発電所も見えた。
発言力の弱い人々が、社会の負の部分を受け入れて「生かされ」るという傾向は、どこの先進国にも、日本にも、ある。