朝、カルモナを出発し、午前ロンダを観光、昼食。午後ミハスで一時間の後アルハンブラ宮殿を見学し、グラナダ泊。夜はアルバイシン地区のジプシーのフラメンコへ。
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ロンダの街は切り立った谷によって二つに分断されている。
古代ローマからの孤立した岩塊の上の旧市街と十八世紀の発展していった、闘牛場のある地区。
何度も訪れているが、ほとんどが一時間程度の滞在時間で谷にかかる印象的な新橋と闘牛場をささっと見学する行程だった。※新橋については下記参照
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/myalbum/photo.php?lid=2057&cid=112今日は昼食もロンダでとる予定になっており、少しだけ時間に余裕がある。もしも、ガイドさんが協力してくれそうならば、今まで訪れることができないでいた念願の場所を最後に希望者には紹介したいと、密かに思っていたのだった。
それは、アラブ人支配時代に造られたという井戸である。
バスの駐車場にやってきたのは若いハビエル君という英語ガイドさん。ロンダには日本語を話すスペイン人ガイドさんもいるけれど、正直に言って彼らの不完全な日本語の駄洒落まじりの軽いガイディングには飽きがきていた。
今日のハビエル君は簡潔な英語を話し、知識も充分にある。なにより「たくさん見ていってほしい」という誠意が感じられる。しばらく定番の説明をしてもらったのち、「最後に希望の方とアラブの井戸へ行きたいのだけど」と申し出ると、快諾してくれた。
※ハビエル君は一番下の写真に写っております。拡大してご覧いただけます。
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孤立した岩塊の上の町にとって水を手に入れることは最重要事項。崖を見下ろすように立ち並んだ邸宅の庭先に、その井戸への入口はあった。
井戸穴といってもつるべを落として水を組むのではなく、底へ降りてくんでくる構造になっている。底への螺旋階段は完全に暗闇になっているわけではなく、崖のくぼみを利用して写真上のようなアーチがたくさん施され、外光が充分はいってくる。※写真上
約百メートルと言われる高低差を降りていくと突然川面に達し、水汲み場所だったとおぼしきテラスに出ると、旧市街が遥か崖の上に屹立しているのが見える。水は澄んでおり、今でもそのまま飲めそうな雰囲気。※写真中
水汲みのテラスに出て振り返って見上げると、ここまで導いてくれた階段は、自然の崖を利用して半分外半分中になっている事がわかる。小さなアーチの技術を存分に利用した強度とともに美しい建築である。
※写真下
〜この話は、後日別にもっと写真を入れて別の箇所にてまとめます。