シュトットガルトを出て、午後にはストラスブールへ到着。
町中いろいろな広場でクリスマス市が開かれているが、大聖堂正面の道をまっすぐ行ったところにある広場では「スイス村」が出ていた。ここは毎年違った国が出店するのだそうだ。フォンデュ屋さんは昼時をずいぶんまわったのにもかかわらず繁盛していた。
ふと、遠くからざらざらと金属が擦れあうような音が規則的に歩くように聞こえてきた。人ごみで何がやってきているのかすぐにはわからなかった。
音が近づいてきて覗き込むと、おお、スイスの民族衣装を着た男たちがゆったりとリズミカルに歩きながらやってくる。手にしたカウベルを楽器のように操りながら。
これだけの人数でこの大きさのカウベルをピッタリのタイミングで鳴らし続けるというのは、見ているよりずっと難しい。
素朴だけれど、これだって音楽と呼べるだろう。古来人間は、音が出るものならなんだって楽器にしてきたのだから。