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腕組みするパン
2011-12-02
ハイデルベルグからルードヴィヒスブルグを経由してシュトットガルト泊。
**
シュトットガルトのアルテ・シュロス(古い城)の中庭には「髭のエーベルハルト」といわれる15世紀の御領主の騎馬像が建てられている。

ドイツで有名なプレッツェルというパンの由来がこの人に絡んだものである事を、今回はじめておしえてもらった。


エーベルハルトはトルコ軍との戦いで長い遠征に出かけた。そのときには生活に必要なパンを焼くために、シュトットガルトのパン屋も同行させた。

長い遠征戻ってしばらくすると、遠征に連れて行ったパン屋のおかみさんがエーベルハルトの元に直訴にやってきた。
「御領主様に同行した旅で、あろことか主人は浮気をしていたことを白状いたしました。(※どのようないきさつで「白状」したのかは不明)遠征に従っての事故、此度のことについて御領主様の方より何ほどかの罰を下していただきとうございます。」と申し述べた。

エーベルハルトは考え、パン屋を呼んでこう言った。「此度のことは、わしの部下への監督不行き届き故でもあったやもしれぬ。ついてはおまえに罰を回避するためのチャンスも与えてやらねばなるまい。」
「太陽を三度見られるパンをつくれ。さすれば、おまえの罪は許してやろう」

パン屋は家に帰って悩んだ。悩んで悩んで、ふと顔をあげると、当の女房が、太い腕を組んで彼を見下ろしているのが目に入った。

で、このパンができた、というわけです。



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