先月ヴェネチアへ行った時、フェニンチェ劇場の目の前にあるFANTIN教会でやっていた展示。
入ると、暗闇に浮かび上がった神様の顔に圧倒される。さらにそれが小さな卵型の球体をたくさんあつめて描いてあるのを知ってびっくり。
…どこかで見たことがある。羊が胸から血を流している姿にも見覚えがある。
はっと思いだした。これはゲント(ベルギー)にあるファン・エイク兄弟が描いた「神秘の仔羊」だ。15世紀半ばのあの作品は私も好きで、自分で切り抜いてコラージュを作ったりしたこともあった。こういった新しいアート作品につかわれてもその価値を保ち続けられる作品だ。
「神秘の仔羊」のどの部分を使ったのか、下記参照
http://www.mas-art.com/works/installations/venice-biennale#/tiara-of-ghent-altar作者のオクサナ・マスという人はウクライナ人の女性で、今年のヴェネチア・ビエンナーレ展示の一環で制作されたものであった。この作品はこうして廃寺となった教会の中にあることでより力を発揮している。いかにもモダンアートが現れそうな美術館に置かれては、出会った時の衝撃はなかっただろう。