ネット検索で「ラディン」と入れると、ビン・ラディンの事ばかりでてきますが(笑)、ここで言うラディン語とは、アルプスの中に生き残った少数言語の事であります。
こんな言語があるなんて、何十回とアルプスへ、スイスへもオーストリアへも、イタリアへも行っていたのに、今日の今日まで知りませんでした。
「紀元前五世紀以前からあったケルト語の流れをくむ言語で、ローマ時代になってからラテン語の影響をうけるようになってきた」「ドイツ語とイタリア語の間の言語ではない」
そういう説明をしているサイトはあったけれど、実際に発音なり言葉を自分できいて判断してみたい。
下記に発音を聞けるサイトがありました。
http://ald.sbg.ac.at/ald/ald-i/index.php?id=m001&lang=enさて、どうでしょう?どんな風に聞こえますか? 表記がスラブ語やトルコ語がつかっている発音記号を利用しているので、個人的には全く的外れだろうけれどスラブ語的な雰囲気を感じてしまいました。すいません、きっと的外れです(笑)
スイスには第四の公用語として「ロマンシュ語」というのがあって、これはラディン語の一系統として分類されるのだそうです。スイス国民のたった一%しかつかっていない言語だけれど、こちらはその放送局もあり、政府が非常に努力をして残そうとしております。ラディン語はこのロマンシュ語の分派という位置づけになるのだそうな。
以下に、ロマンシュ語のラジオ放送をおしえてもらいました。音楽の合間のアナウンスをきいてみてください。
http://radioland.ch/fast.php?radiosuche=Radio%20e%20Televisiun%20Rumantschaマルセル・プルーストはロマンシュ語を「ゲルマン語の強く激しい音とイタリアの伸びやかな音の響きが織りなす」と評していたのだそうです。うん、なるほど、そんな風に聞こえます。
以下、ラディン語の存在を教えてくれた方のコメントです。一言一句、小松も賛同いたします。
↓
少数言語は、守ろうとしなければいつかは消滅してしまうと思います。
自然淘汰といえばそうかもしれません。
でも、その言語でしか表現できないものがあると思うのです。
日常語としては使われていなくても、例えばドイツ語のポエムなどは
もう死滅してしまったような古典ドイツ語だからこそ美しいとか、
日本語だって俳句や短歌、方丈記なんかは古文でないとまったく趣きがないですよね。
だからね、日常会話としては残らなくても、その言語が持つ表現力や
美しさは語り継がれてほしいと思います。