午前中デルフィ観光、メテオラ観光の入り口であるカランバカ泊
明け方から窓を叩く雨音が聞こえていた。朝にはあがっていたが、空はどんより曇っている。
8時半にまずデルフィの博物館へ入場。
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この博物館の白眉はなんといっても「青銅の御者」だが(2006年6月25日の日記で少し言及)、今日はこちらも名品として有名なこの「アポロの盃」。
今までは画題と描かれ方の美しさばかり見ていたが、その「取っ手」の位置の関係にも、ひと工夫あるのに気付いた。
アポロの姿を、この展示の様に安定感ある位置して置くと、ふたつの「取っ手」は水平の位置にならないのに注目。
一見、バランス悪く思えるけれど、よく構図を見ていくと、だんだんとそのずれた位置に必然性が感じられてくる。
アポロが持つ杯からは液体がこぼれ落ちていて、その幅と腕の角度がこの取っ手の斜めの着き方と呼応している。まったく同じ角度にはなっていないが、少し下がっている雰囲気とちょうどよく落ち着く。
これだけの絵を描いた人なのだから、当然「取っ手」の位置とアポロの位置のバランスを考えなかったはずはない。
どうだろう?見ていると作者のちょっとした気の使い方が、こんなところにも生きているように見えてこないだろうか。
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一時間ほどの後、今度はデルフィの発掘サイトへ移動。少し雨が降ってきた。大理石のちらばる遺跡サイトは滑りやすいので注意して歩こう。
古代都市国家の奉納した品々が収められていたとされる建物の跡や、オンファロス(世界の中心を現したという臍石)、アポロ神殿を過ぎ、半円形の劇場へ至る。
遺跡を見学する時、そこから発掘された品々を見てから訪れた方が良いか、逆にあとから博物館へ行った方が良いか、その場所によりけりだが、デルフィの場合には先に出土品を見たほうが分かりやすいように思える。
さらに上にある、奉納競技が行われていたスタディアムへは、登って行こうという方だけ行っていただく。
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昼食はデルフィ村の端にある「パトリコ」という店。2007年9月にここで食べたラムチョップが忘れられなくて、今回もここで食べる事にした。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/myalbum/photo.php?lid=2003&cid=10見かけで味はわかりません!
「ラムは匂いがちょっと・・・」と躊躇していた皆さんも、結局全員が完食! ほかにもエビのメタクサソース、ズッキーニのボール揚げ、きのこリゾット、ドルマのレモンソース、などなど。ギリシャへきて今回はじめて本格的な食事、大成功。
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山を越えてテッサリア地方へ入る。
平原のつきあたりにうっすらとメテオラの奇岩群が見えてきたのは17:30。ほどなくカランバカのホテルに到着。
ここへ前回泊まってから5年以上は経つ。外観も少しこぎれいになっていたが、ロビーをはいると以前の田舎ホテルの風情はまったくなくなり、アート作品も品良く飾られた良い感じの都会風ホテルに改装されていた。
夕食までの一時間弱、メテオラ奇岩群の下にかたまっている村を散策。復活祭を前にして月桂樹の葉がたくさん飾られていた。ちょうどキリストがエルサレムに入場する日ということなのだそうだ。