山上の遺跡を見ていつも思うのは、ここでどうやって水を確保していたのか、という事。蛇口から水が出てくるのをあたり前と感じている我々には計り知れない貴重なものだったに違いない。
シチリアのセジェスタ、忙しいツアーでは神殿しかいかなケースもあるが、シャトルバスで上がっていくと山上に現れる都市遺跡こそがセジェスタの本体。神殿だけ見ていては、そこへ集った人々の澄んだ町が確かにあったのがわかる。
そして、その人々が生きるための巨大な水槽がちゃんとある。こういう貯水槽は、たいてい都市が生きているときには地下に位置していたものだから、都市復元図をみてもぱっとわかるものではない。
四角い壁だけみると「城壁?」と思うかもしれない。現地の詳しいガイドさんからきいて、はじめて「ああ、なるほど」と思って見るのであります。