パレルモから8キロだけ離れた山の町・モンレアーレの大聖堂の横の扉。ブロンズ製でご覧のようにロマネスクの装飾が美しい。ちょっと目にとまったのでローカルガイドさんに尋ねると、やはり12世紀につくられたものだった。
ガイドブックによると、モンレアーレ大聖堂の正面扉は名工ピサーノ作となっている。この写真の扉は聖堂の横にあるから、別の職人の手になる。でも、おもしろいものはおもしろい。
ピサーノは「ピサの人」という程度の意味でたくさんいるが、しらべてみるとボナンノ・ピサーノのことだった。
あのピサの斜塔のいちばん初めの建設者である。
ピサの斜塔は1173年にボナンノ・ピサーノにより建設が始まった。そして、モンレアーレの大聖堂の正面扉はその11年後の1184年制作。当時も名工・名建築家というのはひっぱりだこであったわけだ。
パレルモを首都とするノルマン王国の首都パレルモとモンレアーレの繁栄は、あのピサが繁栄した時代と同じ頃だったというのが分かる。
この時代のロマネスク彫刻、好きです。
フランス南部からピレネーの小国アンドラ、それからバルセロナへ抜けるようなロマネスクの旅もつくってみたいです。