朝、またまた良い天気である。
二泊するサン・ドメニコ・パレスの部屋から、元修道院の美しいテラスの庭とその向こうの海が見える。
古いホテルの部屋というのは、実際様々で、ここも部屋のカテゴリーが細分化されている。つまり、「良いホテルに泊まる」事が「良い部屋に泊まる」ことにはつながらない。その広さにおいても、その窓からの眺めにおいても。
ただ泊まるのではなく、部屋のグレードを指定する事で、この朝の眺めを楽しめた。
朝食はそのテラス庭園から内側に入ったところ。
厳選されたパンやハムやバター。もちろんシチリアのおいしい赤いオレンジジュース。これ、きのうシラクサの道で一杯1.5ユーロだったっけ。
朝九時から歩き始める。
小ぢんまりとした大聖堂だが、その柱は近くの古代劇場から持ってこられたもの。入ってすぐに本堂に床が一段低くなっているところからも歴史ある場所であるのが分かる。小さいながら細かく見ていけば見所が多いようだ。
赤い壁の市庁舎の前を通り小さな城門を抜けると海が見張らせるテラスの広場に出る。この広場の地下は山からの水をためておく貯水槽だったのだと説明があった。ローマとナポリの間にあるテラチーナのフォロでもそんな場所があったのを思い出す。
ローマのインフラ整備力はどこへ行っても驚かされる。
タオルミナの広場で最も雰囲気のよい「4月9日広場」だが、その名前の由来は19世紀のイタリア統一戦争にちなむ。ガイドブックにはガリバルディ入場の日にちなんでと書かれているが、現地のガイドさんによると、ガリバルディが来るのを目前にして旧支配者がガリバルディ派をこの広場で処刑したのを記憶する為に名づけたのだそうだ。
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タオルミナの街は古代から中心になった場所が変わっている。
だから門を抜けてからもまだ旧市街が続く。ここから古代劇場の方までがいちばん古い時代の中心地だそうだ。
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古代劇場はギリシャ式に傾斜した地面を利用してつくられている。岩を削って造られたという事をその場に立っている時にはあまり感じなかったが、午後に「岩の聖母」から見下ろした時に、視覚的にその意味が理解できた。※この写真であります。
左上に写っている劇場、その左手にはまだ削り残された岩場がみてとれる。現場を歩いては分からないことが、こうして俯瞰すると簡単に理解できたりする。
午前中、古代劇場のところで雨が降ってきた。
エトナ山はまだ山頂を見せてくれてない。
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午後は自由。天気がよければ海へ降りるか山上のカステルモーラの町へでも行ってみようと思っていたが、現状では街で過ごした方がよさそうだ。とにかく昼食をどこかで軽くたべよう。
お勧めいただいたのは、ガイドさんが日頃ひとりでも利用されるという小さな家庭料理の店。雨がこの店に誘ってくれたようなものだが、ここがけっこうおいしくて、結局おなかイッパイ食べてしまった(笑)ここの話もまた別の機会に。
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昼食を終えて外へ出ると、雨はあがっていた。
よし、それではカステルモーラの街へあがっていこう。
そこからの景色が素晴らしかった十年前を今でもよく覚えている。
バスに乗ってくねくね道を二十分程あがっていく。途中の景色もすばらしいが、終点のカステルモーラの城砦跡に登れば、360度の景色が見張らせる。イタリア半島の長靴の先もくっきりと見えている。
しばらくカステルモーラの村を歩いて、バスで帰るか歩いて帰るか迷った。バスの時間まではまだ三十分もある。歩けば三十分ほどで降りていけるとガイドさんの話。それじゃ、歩いてみますか。
※結局タオルミナの街までは一時間弱かかったが、充分に価値のあるダウンヒル散歩となった。
※この時の話もまた別に。
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最後の夕食はホテルでゆっくり。
メインダイニングがまだ開いていないのでこぢんまりした場所であるが、それでも充分雰囲気がある。