午後二時半から北欧の説明会だった。
ちょうどスカンジナビア半島の地図をひらいてもらっていた時、ゆっくりと揺れがはじまった。
「あ、揺れてますね」
すぐにおさまるだろうとそのままでいたが、今日の揺れはだんだん大きくなっていく。体をなにかで支えなければ立てないほどになってきて、どこかで物が落ちる音がきこえた。
そろそろ、ましに…いちどおさまるかと思った揺れは、次にはもっと大きくなってもどってきて、お客様とカウンターの女性スタッフはいつのまにか机の下に入っている。
三分?五分?
また、揺れだす。止まる。また揺れだす。
物につかまりながら非常口のとびらを開ける。と、通りをはさんで見える縦長のビルがゆらゆらと揺れているのが見えてぞっとした。
これではどうも落ち着かない。
最初の揺れから二十分ぐらい経って、窓の外がざわざわと普通と違う雰囲気である。電車も全線ストップしているらしい。
テレビがすぐに見られないので、どこでの地震だったのかもはっきりはわからないが、どの程度の地震だったのだろう。
四階の窓から新宿駅方向見ると、東南口の階段にすごい人があつまっていた。(※写真) 電車が止まって足止めされた人人が、駅前の大きなテレビスクリーンを見ている様だ。
こんな落ち着かない状況だけれど、せっかく説明会にこられたのだから二時間ほどしっかり夏の北欧の説明をする。午後四時半頃終了。
エレベーターが止まっているので階段をつかってお帰りいただく。
予約説明も入っていないし、今日はもうここまで上がってくるかたはおられないだろう。片づけをして18時前に店は臨時休業体制となった。
電車は相変わらずすべて止まっている。
さて、どうやって帰る?
遠くて「歩く」という選択支がない人もあるが、私の場合の新宿⇒上野⇒北千住⇒草加(正確には竹ノ塚)なら、歩けるのではないか、と考えた。およそ二十キロなのである。
しばらく迷ったけれど、iPhoneのナビをたよりに歩き出したのは18:30であった。
⇒続く