午後二時にサーリセルカを出発。午後四時ソダンキュラの「オーロラ講座を一時間。午後六時前にはルオストのスカンディックホテルへチェックイン。
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オーロラが見えるための絶対条件は晴れている事。
今日は終日空に雲ひとつ無く、絶好の天気である。
午後八時過ぎに夕食を終えて、各自キャビンに戻り(コテージタイプの丸太小屋が屋外に点在。サウナ付きで広く快適です)、完全防寒装備を身につけて九時に集合。
全員で完全氷結した湖へ。
空に星と月は輝いているがオーロラのかけらも見えない。
ライトがついたスキー場のゲレンデに人影はない。
気温は零下三十度。
じっとしていると冗談ではなく足が凍りそうなので動き回る。
森の中の焚き火小屋は五年ぐらい前だったか暖をとった記憶がよみがえる。膝下ぐらいの雪をかきわけてもとのところへ戻ってきて、時計は午後十時をまわった。
強烈な寒さが足先に噛み付いている。
それでも誰も帰ろうと言い出さない。言い出せない。
帰ったあとに「出た」事を明日の朝きかされたりしたら残念至極だから。それでも、あとどのぐらい耐えていられるだろう。
十時半になり、おひとりが「誰か戻られる方があれば、一緒に帰りますよ」とぽつり。
「それじゃ、ちぉっと聞いてみましょうか」と、小松が氷上に散ったメンバーのところへ歩き出した、そのとき・・・。
「あ、あれ?違う?」
見上げると、北から東へかけての空に薄い緑色のひかりがぽつぽつと浮かびはじめてる。離れ離れだった四つか五つぐらいのその光は見ている間につながり始め、線となり、面となりはじめた。
ほんの二分前まで星だけが光っていた黒い空が、あっという間にオーロラのカンバスに変化していった。
ゆらゆらと揺れ始めた光は、よく映像でみるようなにまさにカーテンの様。全天に広がりはないが、なかなか美しい。
零下三十度の寒さに耐えて待っていた我々に、天が成果を与えてくれたようだ。
ポケットのカメラは冷え切っている。
バッテリーは低下して、一枚二枚しかシャターを切る事ができない。それに、ポケットカメラの手持ち夜景撮影では、この写真が限界でありました。
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2008年、2009年、同じルオストの湖の上でのオーロラは下記にてご覧下さい。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20080218http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20090224