ジムのステップマシン(階段を登るように運動させてくれる機械です)が置いてあるところから、一階下のプールが見下ろせるようになっている。この写真がまさにその視覚。
ご覧のようにプールは現在改修工事をしている。ここ一ヶ月間、二月末までずっと休業でかなり大掛かりである。
数日置きにステップマシンに乗ると、その工事の進展状況が自然とわかる。さらに、マシンにのって足を踏み踏みしているたった三十分の間にもちゃんと工事が進行している様子が面白い。
この日はコンクリートを捏ねてプールの底にあたる部分を塗り固める作業であった。
この写真を見て、皆さん不思議に思いませんか?
七、八人の作業員がばらばらな位置に散ってコンクリートを塗っている。
どうして一番端から順番にやっていかないのだろう?
最終的に底全面を塗るのならば、 廊下を雑巾掛けするように数人がならんでだんだん移動していく方が作業しやすいのではないでしょか?
しかし、三十分間の間に行われていた現実の作業は全くそんなふうではなかった。 しゃがんでこてで塗りこめる人とそこへやわらかいコンクリートを撒く人。 コンクリートと水を混ぜ合わせる人。
それぞれの作業に何かルールを見出したかったのだが、見えてこない。
塗っていく方向もだけでなく、コンクリートを水と混ぜ合わせる配合も、「こんなもんだよね」という適当な感じがただよっていた。
こんなふうにいうと、批判しているようにとられるかもしれないが、そうではない。 ものごとの勧め方というのは、ただ「端からやる」のが適しているばかりではないと分かっております。
マニュアル通りに仕事を動かしても、最後に目的が達成されていなくては意味がない。マニュアル自体を実行するのが目的になってはいけない。
このコンクリート塗りこめ作業の場合には、プールに水をいれてしっかり漏れないという事が目的であります。ただ効率の為に端からコンクリートを塗っていってそれがいつも同じ結果にはならないだろうから。プールも場所場所によって状況は様々…ですよね。
全くシロウトには計り知れない職人の経験によって作業工程が厳密に行われているのかもしれないのであります。
三十分見ていて、降りていって質問してみたくなりましたが、そんな事はしませんでした。もしかしたら、「ああ、テキトーにやってるんだよ」と答えがかえってくるのかもしれませぬが(笑)