今年の終わりまでの旅行計画を練っている。《手造の旅》のコースを少しでも充実したものになるように頭を悩ませる。楽にささっとなどつくれませぬ。
いままでいつも小松が基準に考えてきたのは・・・
●自分自身が興味を持てる場所である事
●行程に無理がない事(走行距離や時差もふくめた時間配分)
●具体的に見るもの・食べるものがイメージできる事
有名な場所や世界遺産指定というものをずらっと並べるのは楽である。人も集まるだろう。しかし、そういう考え方で旅を構成するときつい行程で美味しくない名物料理がならんだ「格安ツアー」になってしまう。
えてしてそれが「ベストセラー!」だったりするのは悲しい事だ。
自分自身の基準をきちんともっていないと、「売れる」に流されて結局みんな同じツアーになっちゃうわけですな。
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たいていはじめての場所へ行く人人は「有名な場所」にいきたいだけだ。そこへ到達する時間や季節や、歩く距離や、そんな現実はまだ知っているはずもない。
現場を知るプロとしての我々はそこではっきり現実を告げる必要がある。具体的に言うと、たとえばローマから日帰りでカプリ島観光へ行こうとする人には「それはかなり賭けですよ」と宣告すべきではないだろうか。
通常、旅行カウンターでは「はい、承りました」としか言わないところで、敢えて「水をさす」わけだ。
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最近自分がツアーを造るにあたり、もうひとつ考えるようになってきた要素は
●日本人にとっておもしろい事
小松がツアーを考える時に重要な要素だと思うのが「日本人にとってどうなのか」という事。
世界的に有名な場所であっても、それが必ずしも日本人におもしろく思えるとは限らない。逆に欧米人にはなんということはない場所でも、日本人はとても興味を魅かれるという場所はある。
また、何気ない記念碑ひとつでも、それが日本人の先達のものであれば、我々は特別な感慨を抱くに違いない。
具体的に言えば、
ネパールのボーダナートの一角にある川口慧海の記念プレート。
ローマ近郊のチヴィタヴェッキア港にある「日本人殉教者教会」
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20100420現在のツアーは何人がきても同じ「有名コース」だけが提案されている。そろそろ国別・民族別の考え方をツアー造成に反映させていく時期にきているのではないだろうか。