先の法王ヨハネ・パウロ二世が今年5月に「福者」になる事が決定したと新聞で報道された。

人望があり、死去したあとすぐに「聖人に！」という声があがったほどだが、聖人になるには踏んでいくべき段階というのがある。

サント（聖人）になる前に、まずはベアート（福者）にならなくては先に進めない。

そして、その福者になるための審査というのは、死後最低五年を経なくては開始されない事になっていたが、現法王はすでに死去したその年から調査開始を命じていた。そして、崩御六年目の今年早くも列福されるのである。

福者になるために必要な事。
それは「奇跡」を起こしていたと認定される事。
今回は、彼の祈りによってフランスの修道女のパーキンソン病が突然完治したことをもって「奇跡」とされたそうだ。ふうむ。

いつの時代でも人は「奇跡」をほしがり、それを与える人に盲従する傾向は、ある。

しかし、現代において、中世のような「奇跡」を起こすことは難しい。ある種、手品師のような「奇跡」を起こしていなくても、その人の「徳」をもって「福者に値する」という決定は出来ないものだろうか。