世界の写真」では
国別に小松の撮影した写真をお見せしています。

ツアコンモバイル通信」は
日本旅行HP内に掲載した
お話を国毎にまとめました。

手作りの旅》は
こま通信」企画の旅です。
こま通信のお問い合わせは
komatsusin2@gmail.com

までお願いします
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録


★ こま通信日記 ★


2010 年 12 月
   1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  


Search
デューラーが会えなかった人
2010-12-21
フランスはアルザス地方の中心都市ストラスブールに連泊する中日。

朝10時前にコルマールへ到着。ここは小さいが歴史ある街。そして、クリスマス市が有名なのでこの時期はいつも大混雑・・・と思ったら、駐車場からすでに人が少ない?

そうか、今日は火曜日でウンター・デン・リンデン美術館が休館だからなのだ。

この美術館はコルマールを訪れる欧米人のあいだでは必見とされている。なかでもグリューネヴァルトのイーゼンハイムの大祭壇画は数ある祭壇を圧倒する迫力だ。

この祭壇だけを見にこの街に来る人があるのも分かる。小松もはじめてこの町へ来た時には、少ない時間をすべてこの祭壇を見るのに費やした。

・・・そうは言っても、今日はお休みなのだから、今日ご一緒の皆さんには「主要美術館がお休みだからこそ行く時間がとれる場所」を案内したい。そういう場所が必ずあるのが、歴史ある街というもの。

そこで選んだのがこの写真の祭壇画「バラの茂みの聖母」があるドメニコ教会であります。

あ、クリスマス市ですか?
もちろんコルマールのクリスマス市も一見に値いたします。はい、それはまちがいないです。でも・・・それよりも、このショーンガウワー作の祭壇画を紹介するのは、小松がご一緒した場合の価値だと思うので、こちらへご案内〜(もちろんご希望の方だけ)。

**
マルティン・ショーンガウアーは1450年ごろコルマールにうまれたとされる。イタリアではちょうどあのダ・ヴィンチがうまれた頃にあたる。同年代の彼らの間に直接の交流はなかっただろうが、ショーンガウワアーは噂ぐらいきいたかもしれない。

ダ・ヴィンチがルネサンス的絵画の革新者だったとすると、ショーンガウアーは中世的職人絵画の最も優れたひとりと位置づけられるだろう。

※ショーンガウアーの経歴については、また別の機会に。

この作品が描かれたのは彼が遍歴修行を終えてマイスターとして工房をかまえたすぐ後、二十才をすこしでたぐらいである。

二十歳そこそことは思えない熟達ぶり。銅版画の作品もたくさん手がけていたので、若くして彼の名は近隣では有名になっていっただろう。

二十年遅れて、ニュルンベルグの街に後年の大家アルブレヒト・デューラーがうまれる。

1492年、二十歳をすぎたばかりのデイューラーは、ショーンガウアーの教えを請いたくてコルマールへやってきた。

しかし、めあてのショーンガウアーは惜しくも一年前に他界してしまっていた。

がっくりしたデューラーも、きっとこの「バラの茂みの聖母」をしげしげと見あげたことだろう。


**
この祭壇画は、はじめコルマールの「カテドラル」の為に描かれたものだった。が、二十世紀に盗難に遭ったそうだ。幸い戻ってきて後、よりセキュリティのゆきとどいた現在のドメニコ教会に、ただ一点だけの祭壇として置かれる事となった。

入場料の一ユーロはまさにこの作品を見るためだけに支払うのだが、まったく惜しくありません。



Back
予定なし
  • (2014-9-17)


  • (2014-9-17)


  • (2014-8-17)


  • (2014-8-14)


  • (2014-8-14)