早朝ポカラの街から上がっていった標高1592メートルのサランコットの丘。すっかり明るくなって丘を下っていく途中の民家の前。
アンナプルナの山々を背にして小学生ぐらいの女の子が机に向かっていた。
ネパールの小学校就学率は九割にのぼるそうだが、実際には途中で多くが止めてしまうという。 家の仕事を手伝うことの方が差し迫って重要だからなのだろう。
特に女の子に対しては「学問はいらねぇ」と考える親も多いそうである。国の識字率は五割程度にすぎない。
ひとつの国が発展するも衰退するも、その根幹はひとりひとりに対する教育である。これは、いろいろな国の学校をみていて確信する。
では、より良い教育の為に、一番必要なのは何か?
学校?資金?良い設備?良い先生?
もちろんどれも重要にちがいないけれど、学ぶ子供たちの「学びたい」という意識がその前提条件だ。
学びたくてもなかなか学べない、そういう世界に置かれてはじめてこどもたちは「勉強できるしあわせ」を感じる事ができるのかもしれない。日本の子供たちには、きっと分からないだろうなぁ。
写真の彼女だけではない。サランコットの丘をおりていく三十分ほどの間に、何人もこんな子供たちをみかけた。
きっと、今日の宿題やっているのかしらん(笑)。