朝六時半、カトマンズ空港の国内線ターミナルから飛び立つエベレスト・マウンテン・フライトの飛行機。
エベレストはカトマンズの町からは絶対に見えない。地面を歩いていくのでは見える場所へ到着するまで何日もかかるが、飛行機ならさっと一時間で近くまで行って戻って来られる。
上空へあがるとすぐに輝く白い峰峰が連なってみえてくる。ランタン、ガネシュヒマール、ガウリシャンカール…手元に山の図も渡してくれるのだが、どれがどの山なのかなかなか分からない。
山々はもちろん全部かたちが違い、とくに飛行機からは見る角度が刻々とかわるので難しい。
しかし、しかし、このエベレストはどういうわけか一度も見失った事がない。けっこう遠くからでもひとつだけ黒いピラミッドように突き出しているから。
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フライトを終えて大満足で地上へ降りる。
あまりに順調に飛んだのでまだ8時半。時間がありすぎる。天候が悪いと待って待って待って、そしてフライトキャンセルということもあるのだからぜいたくな文句だが。
世界最大の仏塔・世界遺産・ボーダナートへ行くことにする。午前中の方が巡礼者が多いので雰囲気がある。
仏教関係の店が多い中、曼荼羅をつくっている工房・店に入ってみた。チベット仏教では修行の一環として砂曼荼羅を作成する。それとおなじものを細密画の様に丈夫な専用の紙に描くのだ。
これはかなりの熟練が必要。工房で描いている人々は、若いけれど子供の頃からやっているので十年以上の経験があるのだそうだ。
ダライラマ14世がデザインしたという曼荼羅もあって、よい記念になる。インド領ダラムサライという村に住んでいるのだが、ここボーダナートへ来た事はない。
中国への配慮からネパール政府が入国を認めないのである。
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昼食は日本人の経営するサンセット・ビュー・ホテルにて韃靼そば。これも、いつも必ず入れるメニュー。しばらくぶりの日本食はやっぱりおいしい。おいしいけれど、なぜか面の長さが日本より短めになっている。外国人にはその長さの方が食べやすいという事なのだろうか。
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午後いちばんにホテル近くの王宮見学へ。
ナラヤンヒティ王宮は2008年までギャネンドラ国王が使用していた宮殿である。
2001年にこの王宮で起きた王族射殺事件もここで起きた。
※WIKIでの記事
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%8E%8B%E6%97%8F%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6今回はここの見学を入れることが重要だと考えていた。 ヨーロッパのようなキラキラの宮殿でもないし、世界遺産に指定された旧市街の趣もないだろうが、訪れた国の現在をしっかりと見てもらう事は必要だ。
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ホテルへ一度戻り少し休憩。
時間が順調だったのでカトマンズ南西の古都キルティプルの見学をオプションとした。
ここは他の町と違い、ちょっとした山の上に街が築かれている。遠くから見ると丘の上にぎっしりと家がかたまって見える。なんとなくイタリアの山上都市を思い出させる風景だ。
街の内部を歩いていくと、文化は違うけれどやはりヨーロッパの小さな町を歩く時と感覚が似てくる。歩いていて面白い。こういう街はまだまだネパールにたくさんあるのだろう。
市内が渋滞していて到着が予定より遅れたので、キルティプルの頂上から降りてバスに乗る頃にはカトマンズの町の明かりが遠くまたたいていた。
そこからドゥワリカホテルの夕食オプションへ向かったのだが、ここで今回最大の交通渋滞にはまってしまった。カトマンズの南西から北東方向へ移動するからある程度かかるとはおもっていたが、30分のところを90分というのにはまいった。
そうして到着した夕食のレストラン「クリシュナルパン」は、そのやれやれ感を帳消しにしてくれるだけのネパール料理であったのが幸いであります。※下記参照
http://www.tour.ne.jp/blog/komatsusin/18199/