特急スペーシア号に乗って日光へ。
日光は全くはじめての小松。
10時少し前、東武日光駅からシャトルバスで金谷ホテルへ行き、荷物を置く。ホテルを通じて5時間観光タクシーを予約した。
五人でタクシーを半日借り切るのは贅沢という考え方もあろうが、今日はおかげで快適かつ効率的にまわれた。
海外を観光していて身に染みている通り、現地ガイドがあるとないとでは、同じ場所へ行っても見えてくるものが全く違う。
まず、第二いろは坂をのぼり中禅寺湖畔へ向かう。途中、明智平展望台は霧で何も見えなかったが、トンネルを抜けて中禅寺湖が見えてくる頃には視界も回復した。
中禅寺湖畔からさらに上の湯元へ向かう。
山が迫る奥まった場所で車を降りると、硫黄のにおいが漂ってきた。雲仙の○○地獄という雰囲気の場所。温泉卵をつくりたくなるような湯がぽこぽこ湧き出している。触ってみるとかなり熱い。説明書きには78℃とあった。
たくさんパイプや取水場が設置され、それぞれホテルの温泉に湯をひいている。
青白く濁った湯に2センチほどの長さの黒くてひらひらするものがいくつも浮かんでいる。よくみるとなんと蛭であった。
湯元から歩いてすぐのところに「あんよの湯」という公共の足湯があると教えてもらう。靴下を脱いで少し熱めのお湯でほっとする。
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車に乗り湖の近くへ戻ったとき、雨が降り始めた。湖畔の木道を少し歩き始めたが、雨はだんだん強くなる。「しまったなぁ」と思った時、運転手の人が途中で車を止めて様子を見ていてくれた。これ幸いと車に戻る。こういう気の利かせ方がありがたい。
この湖から中禅寺湖へ落ちる滝「湯の滝」は華厳の滝ほど有名ではないが、雨の日で水量もあってかなかなか迫力のある眺めだった。
中禅寺湖畔で昼食にそばをうっている店を紹介してもらう。一日限定十二食という田舎そばを注文。注文して出てくるまでかなり時間がかかったがなかなかおいしい蕎麦を楽しむ事が出来た。
昼食を終える頃には雨があがった。
湖畔の古刹「中善寺」を訪れる。ここの「立ち木観音」は見るべきだという運転手さんのご意見。千二百年前にこの寺を開いた勝道上人が立ち木そのものを刻んだという高さ六メートルにもなる千手観音。
http://www.nikko-jp.org/perfect/chuzenji/tachugikannon.htmlひと目見てその力強さが気に入った。ヨーロッパの教会美術ならロマネスクと呼びたい造形。技術的な素晴らしさよりも、それを刻んだ心が入っていると感じさせる美しさだと思う。(結果的に今回の日光訪問で最も印象的な彫刻作品だった)。
最後に、はずせないのはもちろん華厳の滝。
昭和五年完成というエレベーターで滝つぼの近くへ降りると、外へ出る前の地下トンネルからすでにどどどと水音がきこえてきた。姿を見せた滝はさすがの名瀑。迫力と美しさを兼ね備えている。
★写真は華厳の滝のすぐ横で見つけた柱状節理。アイスランドで見たスヴァルティ・フォス(黒い滝)で見られるものと同じだった。
日本もアイスランドも火山大国である。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/xoopsgallery/view_photo.php?xoops_imageid=704&set_albumName=album24&id=svarifoss_001**
四時には金谷ホテルへチェックイン。
昭和十年完成の別館の部屋。すべてのデザインが時代を感じさせてくれる。
おちついたロビー奥には庭を見渡せる小さなレター・デスクまである。良いホテルはロビー周りをゆったり楽しめる雰囲気がある。
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18時半過ぎにダイニングへ。
ダイニングというよりも「食堂」という方がぴったりくる。クラシックな装いの部屋の中央に木製の柱が数本。その柱頭の彫り物が東照宮をイメージしたカラフルな木彫。
メニューは二種類。
ともにかなりしっかりしたコース。金谷ホテルの名物鮎一匹の醤油仕立て焼き(?)か、肉をメインにローストビーフかステーキを選べるもの。
オーソドックスなフランス料理といえるだろう。
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夕食後のロビーには、静かにお茶のセットが用意されている。
湯気をたてる銀製?のポットから誰でも自由にお茶が楽しめる。
近くには昔懐かしいビリヤードの台。
4ボールをほんとうにひさしぶりにちょこっとやってみた。
大浴場とゲームコーナーはないけれど、落ち着いた洋風ホテルの夜の過ごし方にちがいない。