大河ドラマ「龍馬伝」で繁盛している高知へ。
高知龍馬空港へ到着すると、南国らしくぴりぴり肌を焼くような陽射しだった。
まずは南国市の県立歴史民族博物館へ。
博物館は明らかに城跡とわかる場所にあった。
岡豊(おこう)城、と読むのだそうだ。知らない人にはけっして読めない地名だろう。
「龍馬伝」をやっているのでたくさんの人が訪れるのだが、展示室の第一番目は江戸以前の支配者・長宗我部氏についてであった。
しばらくその読んでいて気付いた。
そうか、この博物館のある場所こそが、もともとは長宗我部氏が本拠を置いていた城なのである。
「龍馬伝」でやってきた人にもまずはこの部屋を見てほしいという、博物館側の意図が感じられる。
関が原後、山内家がやってきてとって代わられるまで四国の勇であった長宗我部氏は地元にとっては知っておいてほしい存在なのであろう。
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「龍馬伝」の展覧会へ。ちょうど有名な龍馬の写真の原板が三日間限定で展示されていた。台によりかかり遠くを見ている姿のもの。原版は意外に小さかったが、オリジナルはやはり細部がよく映っている。
誰でも見た事があるこの写真だが、原板から焼き起こした鮮明なポジを見ると、右腰に呼び笛のようなものを下げているのがわかる。
龍馬の写真は現在六点が伝わっているのだそうだが、この事からも「写真に撮られると魂を抜かれる」とか、そういう迷信を笑い飛ばす気概が感じられる。
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高知市内へ移動。
町の中心に二百五十年前の城がそびえている。幕末、戦災の動乱にも破壊されずに残ってきた「幸運の城」なのだそうだ。
ここは是非明日訪れよう。
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「ひろめ市場」へ行き、ここではやはりカツオのタタキをいただく。あとから分かった事だがこの「ひろめ」という名前は、このあたりに屋敷をかまえていた人物のミドルネームからきているようである。
その後、日曜日の露天市場を歩く。
野菜をはじめいろいろな商品がならべられていてる。
海外でもこういった市場はたくさん歩いてきたが、ここでとても嬉しいのは、なんといっても「日本語で会話できる事」である。
芽生姜の漬物を買えば「こっちにしとき」と、上手に漬かったものを勧めてくれる。カニの生簀を覗けば「これ、うちがとったんよ」。 草刈鎌を買えば電話帳をつかって錆びさせない保管の仕方を教えてくれる。
こういう話はやはり日本人同士でなくては出来ない。